JamilaBronte’s blog

わたしの知らないところで、わたしは何かを受け取っている

オペラ『蝶々夫人』_感想

こんにちはJamilaです

先月見に行ったオペラ『蝶々夫人』の感想を簡単に書きたいと思います!

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クリスマスツリーも出ていてよかったです!

 

 

蝶々夫人を歌った中村恵理さんが本当にすごく良かった!

1幕の彼女が凄すぎて、2幕は何も気にせずゆったりと曲を聞くことができました

 

1幕

演出上、彼女が姿を見せる前から声だけ聞こえていましたが登場して前を向いた時、白い衣装ということもあったと思うけれど、光輝いていて眩しかった
階段を降りながらだったけれど、”自分が世界中で1番幸せな女性・この先幸福になる以外ありえない“という気持ちを踏みしめながらの登場だったと感じました

 

ピンカートンに”父上は?”と聞かれて、”死にました”との返答の感じがすごく好みでよかった!
はっきりと落ち着き払って、しっかりとした口調で言うところに彼女の強さが伺えて

”昔は金持ちだったの、自分の出自を悪く言うひとはいないでしょ?”という場面も中高生が教室の端で先生を茶化しながら言っているみたいで、楽しかった
アメリカ人とか外国人とか相手がだれであれ”自分”の立場・境遇を悪くするものは何もなく、もう今楽しくて可笑しくてたまらない という感じがすごく伝わってきました

 

「この結婚が何の疑いもなく幸せをもたらすものである」という場面から改宗して責められる場面までの回転がテンポよくサクサク進んで、聞いていて個人的に心地よかった

蝶々さんとしては嬉しい場面ではないと思うけど、個人的に曲の展開がとても好き

 

1幕のオケは、曲ごとの間であっても何かしらが音を延ばしていて、1回も音が途切れなかったように感じました

蝶々さんのテンションが全く異なる場面への展開でも音が途切れなかったことで、全ての場面が時間軸として繋がっている感じはしました。他に全部繋げての演奏は聞いたことがなかったから、そういった意味で違和感は感じたけれど

 

2幕

舞台は1幕のままで、3年間ピンカートンだけが彼の船とともに進み、長崎はそのまま変わらずというのがなんとも言えず…

散々”法律”について話題にしているけれど、実際のところ蝶々さんはどこまで分かっていたのでしょうか

1幕の彼女からはこの結婚について「幸せ以外ありえない!!」ということしか感じられなかったけれど、スズキの発言にもある通りで 彼女は結婚する時点で様々なことに決断としていたのかもしれないと思います

 

演出として、最後に蝶々さんが自害した様子をこどもが見るというのは辛いと思った

父親と同じように蝶々さんも死に、またこどもがそれを見て日本のある意味”文化”を体得する。この先こどもはピンカートンと一緒にアメリカへ渡る訳だけれど、ピンカートンとこどもが平和に過ごせたことを願うしかないです…

 

ピンカートンが蝶々さんが彼を信じて待っていたことを知り、逃げていく
蝶々が自害する場面では、さっぱりと死ぬのではなく、そこを強調するように光を当てていて強く印象に残った
あくまでこの物語の主人公は”蝶々夫人”であり”マダム・ピンカートン”ではない
改宗をしても、親戚から見放されても、どんなに”幸せ”だと感じていたとして・振舞っていたとしても現実には勝てなかった という感じを受けました

 

さいごに

幕間に「蝶々さんの食べる野菜スープ」を食べました!

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ファルファッレの入っているミネストローネで美味しかったです

 

耳もお腹も大満足な公演でした、とてもよかったです!

 

 

読んでいただきありがとうございました、またお会いできたら嬉しいです

Jamila